毎日行きたい、いっそ住み着きたくなる美術館。

渋谷区にワタリウム美術館というユニークな美術館があります。最寄り駅は外苑前ですが原宿からも歩けます。以前渋谷で仕事をしていた頃はしょっちゅう通っていました。最近はなかなか足を運べないのですが年に数回は訪れていつも心地よい刺激を持ち帰っています。基本的に現代アートと呼ばれるような作品を中心にいつも新鮮な企画展を実施しています。公立ではなく個人が経営する美術館とのことで、そのためなのか大衆受けや商業的な成功を狙っていない一種マニアックな企画が多いところに魅力を感じます。実際、私はもともとそれほど美術に詳しくないので、ワタリウム美術館での展示をきっかけに初めて知ることができたアーティストがたくさんいます。

ビル全体が美術館になっていて地上4階が展示スペース、地下2階がアートショップやカフェです。コンクリート作りでちょっと変わった外観の建物自体にも芸術的な価値がありそうです。ミニシアター風の入り口を入り、1機しかないこじんまりとした古いエレベータでまず2階に上がります。フロア面積はとても小さいのですが、2階から4階まではところどころ吹き抜けになっていて、色々な展示方法のアイデアが湧いてきそうな立体的で面白い展示空間が広がります。2〜4階の間のフロア移動は何故か外階段を使います。通りや町を見下ろしながら踊り場のベンチで休憩したり結構お気に入りのスペースです。

平日に訪れることが多いからかもしれませんが、いつも空いています。ストレスを感じず、他人に遠慮せず、のんびりだらだらとアートを鑑賞できる。なかなかそういう場所は他にありません。贅沢な時間を過ごさせていただいてます。前述の通り吹き抜けの多い構造なのでインスタレーションものなどを展示しているときは他のフロアの音声や物音などが聞こえてきたりして、それはそれで味わいがあります。順路も特にないのでフロアを上ったり下りたりしながら繰り返し作品を鑑賞することができます。

地下のアートショップもかなりおすすめです。最近のメジャーな美術館のショップはどこにいってもだいたい同じようなグッズが並んでいて飽きを感じますが、ここは一味違う。隠れ家感満載の非日常的な店内に、レアな書籍が所狭しと並びます。正直なところ購入したことはあまりないのですが、そこにいるだけでちょっと自分の厚みが増すような、そんな空気がただよう空間です。

近くに住んでたり職場があれば毎日行きたい、願わくば住み着きたいぐらい。カッコつけず、インテリぶらず、一人できままに過ごせる貴重な美術館。これからも長く続けていただきたいです。